その1。
「たいよーちゃん、大地に立つ!」





・・・・誰でも、冒険に出る前は期待と不安で一杯になる物である。
サムナーの塔に選ばれし勇者として招かれていた
ブルーナイト
「TAIYO」
も例外ではなかった。
塔を前にし、不安一杯の表情のTAIYO。・・・そして、拳を握り
唇を震わせ、高くそびえる塔を見上げ一言呟いた。


「・・・・バナナはおやつに入ったっけ?」


塔の中心では偉そうなクソジジ・・・・・いや、魔法使い
「サムナー」
がこの世界で起こった事やこれから自分がすべき事を色々と話して
くれた。あまりにも長ったらしい話なので半分聞き流していたが、
要するに、
「そこら辺に置いてるクリスタルを取ってさっさと
ルーンストーンを取って来やがれゴルァ!」
っつー事らしい。

・・・・何か、微妙にムカつく。

キレそうになるのを抑え、オレンジ色の何やら美味しそうな物体を全て
集めてみる。・・・すると、奥の方で何かが開く音がした。「とりあえ
ずあそこがデビュー戦の舞台ね。」TAIYOは誘われるように光を放つ魔方
陣のようなものへと足を進めた・・・・・・「バナナはおやつに入る。」
そう心に堅く誓いながら。



魔方陣をくぐり、閉じていた目を開けるとそこには荒れ果ててお世辞に
もキレイとは言えない光景が広がっていた。
「・・・・こんな汚い場所でも自分‘だけ‘はキレイでいなくっちゃ。
あっ!そう言えば、家を出てからここに来るまで一度も装備を確認
ませんねえ。折角だからここでチェックしましょう♪」

と、言うわけでTAIYOの
「ピーコ抜きの一人ファッションチェック」
の始まり始まり〜〜〜〜〜〜〜♪

まずは
お洋服。上着はノースリーブになっており、腰から下は割と厚め
のピチッとしたストッキングで結構動きやすい。

次に
左手。自分はまだ見習い騎士なので盾は支給されていない、よって
盾は非装備。

そして、
肝心の右手。そこに握られていた物は・・・・・・・・



「く・・・・・釘バット・・・・・・・・。」



・・・・幾ら自分が騎士をしてのランクが低いとは言えこれはあんまりだ。
TAIYOは装備をあつらえてくれた騎士団の上官をマイルドに恨んだ。
もしここにピーコがいるものなら
暴言を吐かれるどころかきっと相手に
すらして貰えないだろう
。(笑)
しかし、今の自分に取って贅沢は敵だ・・・・・・とりあえずこの
釘バット
で当分我慢する事に決めた。

「うう・・・夕日の海に向かってバカヤロー!って叫びたいキブン・・・・TT」




・・・・・・TAIYOの冒険は、まだ始まったばかりである・・・。


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