その2
「赤い彗星の・・・」
ブルーナイト「TAIYO」がガントレット世界に降り立って数日が経った。
始めは武器の扱いに不慣れではあったが、数日の戦いで少しづつだが
何かの「手応え」を掴めるようになって来ているようだった。
・・・本人がそれを自覚しているのかはかなりビミョ〜〜だが。(ぷ。)
そして今日もいつものように探索を終え、SHOPでの買い物をすませてから
サムナーの塔に完備されている「ガントレット温泉ATARIの湯」で一風呂
浴び、バスタオル一枚で脱衣場でくつろいでいると・・・・TAIYOの背後
・・・番台のある場所からから聞きなれた声がした。
「おかえり、ブル〜〜〜〜〜〜ナイトv(はあと♪)」
声のした方を振り返るとそこには帽子はそのままだがシャツ、茶色の
腹巻、そしてモモヒキといかにも番台のおっさんみたいな格好をした
サムナーの姿があった。・・・しかも困った事に自然とハマッている。
「・・・・・番台もやってたんだ・・・・・・」
唖然としているTAIYO。そこに番台のおっさんモード全開のサムナーが
TAIYOに言った。
「あーTAIYO君。実はのう、さっきお前さんに会いたいと言う奴が来て
のう。『TAIYOさんが来たら伝えといてくれ』と・・・・」
・・・・・ん?私に会いたい人・・・自分の人脈は所属の騎士団以外
薄いし・・・・・・まさか隊長かな?やっと一人歩き出来たと思った
のにここでも扱かれるのかあ・・・・・と、一人ブルーになっている所
にサムナーがボソッと一言。
「・・・その人はそれはそれはナイスバディのべっぴんさんじゃった
〜〜〜v」「行く。」・・・即答だった。早速サムナーに待ち合わせ
場所を聞き、スキップしながらルンルン気分で待ち合わせ場所である
「西ウィング・城の領域の入り口」へと向かった・・・・・・それが
「悲劇の始まり」であるとは誰が想像しただろうか・・・・。
TAIYOが待ち合わせ場所に着くとそこにはブロンドのパーマヘアーに
へそ出し、スリット入りの大胆な赤い衣装を身に着けた魔法使いの
女性が立っていた。・・・TAIYOはその場でヘルメットをかぶり直し、
やや緊張で震えつつも丁重に挨拶をした。
「・・・・こ、こんにちは、始めましてっ。ナイトの・・・・・・・」
「TAIYOちゃんでしょ?」「・・・は!?」緊張で言葉が途切れかかっ
た所に女魔法使いは平然と自分の名を口にした。
・・・・いつもなら「ナイス、ツッコミ!!」と褒めてあげたいところ
だが、あまりにも唐突過ぎたのでツッコミ返しする余裕すらもなかった。
「うふふ♪仲間から新入りの可愛い勇者がいるって聞いたもんだから
会ってみたくなって・・・・あ、あたしはモリナ。職業は見ての通り
魔法使いよ♪よろしくねっ!(ウインクv)」
「・・・か、「可愛い」だなんて・・・・自分でも少しは思ってたけど
実際に言われると妙に嬉しいなあ♪」TAIYOは女魔法使い@モリナの
その言葉に半分骨抜きにされかけていた。・・・ああ、もしこんな人
がお姉さんだったら・・・・TAIYOが心の中でそう呟いたその時、モリナ
がTAIYOの手をぐいっと掴み怪しい笑みを浮かべながら一言言った。
「・・・・さあ、逝こうか。」
モリナのその一言でTAIYOの脳裏に戦慄が走った。・・・逃げたい。
今すぐ逃げよう・・・・・・が、そう思うも時はすでに遅し。
2人はたちまちテレポーターに吸い込まれて行ったのであった・・・。