その3
「ああっモリナさまっ」
・・・・・・・前回で女魔法使い「モリナ」によってほぼ無理矢理状態で
「城の領域」のテレポーターを潜らされてしまったTAIYO。
「・・・も〜ど〜にでもしてぇ〜〜〜(Byぴちょんくん。)」
モリナと比べると明らかに立場の弱いTAIYOは心の底でそう呟いた。
2人が辿り着いた所は「城の領域」の第4エリアである「武器庫」だった。
どうやらモリナの話によるとこのエリアには「ルーンストーン」が隠され
ているらしい。「ルーンストーン」・・・・・・・・・・・それは12個全て集める
事により魔王「スコーン」のいる神殿の扉を開く事が出来る、ポケモンで
言えば「バッジ」にあたるアイテムである。(笑)
「さーーて!早速ルーンストーンを探しに行きましょうか〜〜〜〜♪
た・い・よー・ちゃ〜んv(邪笑)」モリナはそう言うなりTAIYOの服の
襟をぐいっと掴みそのまま武器庫の奥へと引きずって行った。
そして少し広めの部屋に出た時・・・・モリナの表情が一変した。
「・・・・早速敵さんのお出迎え、と言った所かしら。」
・・・その部屋はジェネレーターから出てきたモンスターが溢れかえり
まるで「真夏の海水浴場」のようなイモ洗い状態になっていた。
しかも「ジェネラル」と言うオマケ付きで。
すぐさま2人は武器を構え、臨戦態勢を取った。
「よ〜〜し。行くわよ!」「はい!モリナさんっ!」
「・・・・・・・TAIYO!ゴー!!!!!!!」
「・・・・・・・・・は?」
・・・一瞬TAIYOは素に戻り耳を疑った。そして「あのー・・・モリナさん、
今何とおっしゃられました???」とモリナに尋ねた。するとモリナ曰く
「何言ってるのよ。『高い防御力をいかしてジェネレーターに突撃し、
コンボで破壊する。そんな荒技をやってのけてこそナイトの名にふさわし
い』って取り扱い説明書の22ページに書いてあるじゃない。」と。
・・・早速TAIYOはカバンからプレステ2用ソフト「ガントレットダーク
レガシー」のパッケージを取り出し、中の説明書に目を通した。
「・・・・・・・・本当に書いてる。」TAIYOは絶句した。
「はい!分かったならさっさとジェネレーターを破壊する!!」
モリナはゲキを飛ばしながら、TAIYOを敵の群れの中に蹴り飛ばした。
・・・・・・そして20分後。キレイさっぱり掃除された部屋の隅っこに
ボロボロになってうつ伏せで倒れているTAIYOの姿があった。
2000近くあったHPも300位までに削られ、その戦いがいかに激しい
ものであったかを物語っていた。
「は〜いTAIYOちゃ〜んv乙カレー♪」モリナはTAIYOを抱き起こし、おも
むろにカバンから取り出した「丸大謹製高級巨大ハム」をTAIYOの口に
むぎゅっ!と押し込んだ。無意識に口を動かしてハムを食べるTAIYO。
「むぐむぐむぐむぐ・・・・・・・ごっくん♪はう〜〜〜、死ぬかと思っ
た〜〜〜〜」その様子を見てたモリナは半泣き状態でハムを完食したTAIYO
の頭をぐりぐりと撫でた。TAIYOにはさっきまでモリナが「鬼」に見えてい
たが、この時のモリナはまるで女神のように見えた。「うふふ♪いい子v
・・・でも戦いはこれからよ♪さあ、さっさと立ってキリキリ歩く!!」
・・・・・やっぱり鬼だ。TAIYOは魂の底からそう思った。
2人が部屋を出て長い階段を上ると、何やら血生臭い臭いのする部屋へと
辿り着いた。そこには天井から血がしたたっている大きな肉塊がいくつも
ぶら下がってて、部屋の端っこには巨大な鍋が火にかけられており中には
得体の知れない料理がぐつぐつと音を立てて煮え立っていた。
「何か気持ち悪い部屋ねえ・・・・・うげっ、あたし吐いちゃいそう。」
モリナが口を押さえながら周りを見回していると、すぐ先に人が一人入れ
そうな穴があった。早速その中にゲロを放出しようと穴のなかに顔を突っ
んだ・・・・・・その穴の底を見たモリナはすぐに顔を上げ、ニタ〜〜〜
〜っとした顔でTAIYOの方を向いて言った。
「ルーンストーン、み〜〜〜〜〜〜〜っけ♪」
その穴の中には天井からぶら下がっている肉とともに青い文様が書かれて
いる「ルーンストーン」が鎮座していた。
「穴の底かあ〜。あ!モリナさん、もしかしたら何処かに穴の底を上げる
スイッチがあるかも知れませんね。早速探しに・・・・・・」
TAIYOがそう言うとモリナが一言。
「TAIYOちゃん、あんたが降りて取りに行きなさい。」
「・・・・・・・へ?」
またこのパターンである。「あんた位の体格なら余裕で降りられるでしょ?」
・・・もうこうなると完全にモリナのペースである。「はい、モリナ様・・
・・・・。(しくしく)」TAIYOはしぶしぶと鎖伝いに穴の中に降りた。
そして肉の下約1メートルの底にすとっ、と飛び降り中腰でルーンストーン
に手を伸ばしたその時・・・・TAIYOの頬にぬめっとした液体が落ちてきた。
「ひ・・・・・ひぃぃぃやあぁぁぁぁぁ〜〜〜〜!!!!」
その液体とは明らかに肉からしたたり落ちている血であった。
TAIYOは完全に腰を抜かし、そのままぺタッと座り込んでしまった。
「お洋服がぁ〜〜〜お洋服がぁぁぁ〜〜〜え〜〜んえ〜〜ん・・・・・・」
ひたすら泣き叫ぶTAIYO。しかし血は容赦なくTAIYOに降りかかる。
「ちょっと!泣いてないで早くのぼって来なさい・・・・って、あんたの
その状態じゃのぼる事すら考えられないようね・・・・ちょっとスイッチ
探して来るからそこで大人しく待ってなさい!いいわね!!!!」
・・・そう言うなりモリナはスイッチを探しに何処かへ行ってしまった。
暫く経ってモリナが戻って来るとそこには血まみれでルーンストーンを抱え
て目を泣き腫らして座り込んでいるTAIYOの姿があった。
とりあえずモリナはTAIYOの手を引きサムナーの塔へ帰るべく、武器庫の
奥の奥にあるテレポーターへと向かった・・・・。
「うう・・・・・今日は人生最悪の日になりそう。TT」By TAIYO。