その5
「砂漠の穴掘り王」


「・・・・はう〜〜〜〜、それにしても暑いですねえ〜〜・・・・」

「TAIYO、あんたのその厚着じゃ暑くて当然じゃないの。」

「それはそうですが・・・・・・」
「じゃ、おいらみたい薄着にな
ったらど〜だい?」
「・・・・・・・それは謹んで遠慮させて頂き
ます。(きっぱり)」
「え〜〜〜〜?”ジェスタースーツ”、結構
イケテるのになぁ〜〜〜?」
「・・・・・・・・・。」「コケコ。」

ブルーナイト「TAIYO」
「モリナ」「ミストちゃん」、そし
「ポジョ子」の3人&一羽は「砂漠の王国」第1エリアである遺跡
に来ていた。この地は「灼熱の国」と呼ばれているだけあって、強い
日差しが砂の大地とTAIYO達を容赦なく照りつけている。
少なくともTAIYO達はこの環境に不慣れである。しかも今TAI
YO達が進んでいる所は
迷路のように入り組んだ地形・・・・迷って
いる間にも日差しにより体力が奪われて行く。


「あ〜〜〜ん!ミストちゃん、もう歩けな〜〜いって感じ〜〜〜?」

まず一番最初に音をあげたのはミストちゃんだった。
「・・・・あたしもかな〜〜りヤバイかも。」続いてモリナもその場
に座り込む。
「みんなしっかりして下さいよ〜〜〜!ここにはルーン
ストーンが隠されているらしいんですよ?それを見つけるまでの辛抱じゃ
ありませんかぁ〜〜・・・・でも・・私・・も・・・(ぱったり。)」


・・・ついにポジョ子を除く3人全員がダウンしてしまった。




・・・・・
「ココココッ、コケコ〜〜〜〜!!」「・・・ん?ポジョ
子さん・・・・?
ひあ〜〜〜〜!何じゃこりゃぁぁぁ!?
TAIYOはポジョ子の声で目を覚ますと、自分の顔面に大きな魚が
思いっきり密着していた。
・・・・・・・・・そう。みんなが倒れて
いる間に唯一正気だったポジョ子がこのエリアのスタート地点まで戻
って、そこの水路で泳いでた魚を取って来たのである・・・・・・・

どうやって取ったのかは謎だが。

「ポジョ子さん、ありがとうございます〜・・・でも少し気持ち悪い
〜〜〜〜〜〜!」
「コケケッ♪・・・コココ、コケケコケココ〜!」
「ポジョ子さん、どうかしたのですか?」
TAIYOは魚をどけなが
ら辺りを見回した・・・・そして耳をすましてみると、先の方で
水の
流れる音
がかすかに聞こえるのを感じた。「・・・・水の音!?」
TAIYOは早速水の音のする方へと走り出した。すると先には水が
滝のように流れている場所があった。おまけにそこには
エレベーター
のスイッチらしき物がある。
「・・・どうやらこれが迷路の出口みた
い。とりあえずこの水をモリナさん達に持っていかなきゃ。」
TAI
YOはヘルメットを脱ぎその中に水をなみなみと入れ、こぼさないよ
うに注意しながらモリナ達が倒れている所へと戻った。

「・・・ふ〜〜!生き返るわ〜〜!TAIYOちゃん、ありがと♪」
「危ねえ危なえ〜!もうちょっとで”ジェスターの干物”になっちま
まう所だったよ〜〜〜〜!」
すっかり元気を取り戻した3人と一羽は
迷路の様な場所を抜け、高い壁が聳え立つ広い場所へと出た。


「あら・・・・?これ何かしら。」モリナがふと足元を見るとそこに
一つの巻物が落ちてあった
「あ!これ、サムナーのメッセージじゃ
ない?」
モリナはすぐにその巻物を拾い上げ、開いて中の文章に目を
した。その巻物には
「戦争の時には大事なものを壁の中に隠したと言
う。」
と書かれていた。「大事な物・・・あ!私の勘なのですが・・
・・・大事な物って
ルーンストーンの事ではないのでしょうか?」

AIYOがそう言うと
「・・・ええ、多分あんたの言う通りならこの
壁の何処かに隠し部屋があって、きっとそこにルーンストーンがある
はず。きっとその部屋を開けるスイッチとか近くにありそうね。」

モリナは壁を叩きながら言った。

「そうですね・・・って、あれ?ミストちゃんは?」TAIYOとモ
リナがふと周りを見ると、さっきまで近くにいた筈のミストちゃんの
姿が無い。
「ふう、またミストちゃんの”先行癖”が・・・」TAI
YOがため息をついたその時、遠くから
「お〜〜い!スイッチ見つけ
ちゃったよ〜〜〜〜ん!」
と言う声がした。どうやらTAIYOとモ
リナが話をしている間にミストちゃんがスイッチを探しに行っていた
ようだ。周りを見ると
間違いなくミストちゃんが倒したであろうモン
スターの残骸があちこちに転がっていた。


「じゃあミストちゃ〜〜ん、そのスイッチ押して頂戴!」

「ブ・ラジャ〜!!・・・あ、ポチッとな☆」


すると、TAIYO達のすぐ後ろでゴゴゴと音を立てながら隠し部屋
がその姿を現した
「ね〜、どう??」ミストちゃんが戻って来た所
で全員でその部屋の中を見た。

・・・・何じゃこりゃぁぁぁぁ!?

・・・・何とその部屋の中には、大量の
エロ本が山積みされており、
しかもその横には
ご丁寧にティッシュの箱も置かれていた

「これが大事な物なんだ・・・。」「・・・MAXサイテー。」
落胆するTAIYO達・・・その時、TAIYO達の背後から声が。

「・・・・貴様ラ、ヨクモ私ノ大事ナモノヲ・・・・・・!!」

全員がその声に驚いて振り返ると、そこには
エジプトのファラオの様
な格好をした大柄の魔法使い風の男
が立っていた。

・・・我ハコノ遺跡ヲ守護スル者・・・・我ノ秘密ヲ見タカラニハ
生カシテハ、オケヌ・・・・・消ウセルガイイ!!!」


「・・・やーね〜〜〜これだから男って・・・・・」

「あんな物に頼るなんて余程寂しいんですね。かわいそうに・・・・」
「・・・・・うわっ、めちゃさみし〜〜〜〜〜。」

「・・・・コケコ。」




「貴様ラァァァァァ!!無視カーーーーーイ!!!」

・・・・その男〜ファラオウィザードの言葉を無視してヒソヒソ話をす
る3人と一羽。さらにここでミストちゃんのとどめの一言。

「男なら本なんかよりは、やっぱ”生”でしょう♪」

・・・・ガクッ!!
思わずこけるTAIYOとモリナ。
「・・・・・ミストちゃん・・・・。」「・・・こいつも所詮男ね。」
あきれ返るモリナとTAIYO。

「オオオオオ!貴様モソウ思ウカ!!!!」
ファラオウィザードはミストちゃんのその言葉に思いっくそ反応した

「・・・ダガ、我ニハ相手ガオラヌ。・・・・・言ワバ我ハ”モテナイ
君”ナノダ。(しくしく)」
「う〜〜ん、その風貌じゃちょっとビミョ〜だねぇ
〜〜・・・・そ〜〜だ!良い事思いついちゃった〜ん♪」
ミストちゃんは
両手を「ポン」と叩きファラオウィザードに言った。

「じゃあ、ルーンストーンのありかを教えてくれたら〜お礼に
そこの”魔女ねーちゃん”をもれなくプレゼント〜〜♪ってどない?」


そのミストちゃんの言葉を聞いたモリナは即答で叫んだ。
「嫌じゃ、ボケエエエエェェェェェ!!!
何であたしがこんな奴の物になんなきゃいけないのよっっ!!!!!」


血相を変えて怒り狂うモリナ・・・・その後ろからTAIYOは小声で
「・・・大丈夫ですよ。モリナさんは絶対彼の物にはなりませんから。」
言って、その横のエロ本の山を指差した。その山をよく見てみると・・・・・
・・・何と、一番上の本以外は全部
「ホモ雑誌」だったのである!

「ミ、ミストちゃん逃げて、逃げるのよおおおおおお!!!!!!!」
そのモリナの声に思わず
「へ?」と返すミストちゃん。
「そ、そいつ、ホモよおおぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
ま、マジっすか!!??」

ファラオウィザードはニヤリと笑った。
「ククク・・・ヨク分カッタナ。
我ハ女子ナド全然興味ナッシングナノダ!!!・・・・丁度ヨイ。ソコノ
道化デモ良イワ!!”ボーリング作業”開始ィィィィィィィ!!!」

逃げるミストちゃん。そして追いかけるファラオウィザード。
・・・しかし遂にミストちゃんは捕まってしまった。

「フハハハハ!我ハ巷デハ”ミスタードリラー”ト呼バレテイル男・・・
オトナシク我ニ掘ラレルガヨイワッ!!!!!!!!」

「ミ、ミスタードリラーかいっ!!」
思わずツッコミを
入れるTAIYOとモリナ。
「オラオラオラオラァァァ!!ジェスター
ダロウガ、ドワーフダロウガ、ポジョダロウガ我ニ掘レヌ物ハナイワ!」

「・・・それはど〜〜〜かな?」「何ィッ!?」ファラオウィザードは
その言葉で我に返り、そして押し倒している物を見ると・・・・・・
なんと気付かないウチに「メダロット・メタビー」にすり替えられている
ではないか!そして、ファラオウィザードの後ろではさっきまで押し倒さ
れていた筈のミストちゃんがニヤニヤと笑いながら立っていた。

・・・・左手にロボットアニメに出てくるようなドリルを装備して。

「へへへっ、真のドリラーならこれぐらいのドリルで掘らなきゃ〜〜
ダ〜メダ〜メ!!ホ〇ススムが泣いちゃうよ?」

・・そう言うなりミストちゃんは左手のドリルでファラオウィザードに
「7年殺し」を敢行・・・・・・・辺りに響き渡るファラオウィザードの
悲鳴
。そしてその凄まじい光景に引きまくるモリナとTAIYO
それを
「コケコ」と鳴きながらじーっと見守るポジョ子・・・・・・・
数分後、そこには
夕日を背に「ドリルは男のロマンだねぇ〜♪」と呟いて
いるミストちゃん
と、「ア、兄貴ト呼バセテ下サイィィィ!!!」と泣き
ながらミストちゃんにすがるファラオウィザードの姿
があった・・・。






「・・・でさー、結局ルーンストーンってどこにあったのかしら。」


モリナがそう言ったその時、モリナの携帯電話が鳴った。
「・・・もしもし
?あ〜サムナー?フムフム・・・・・ええええええ?もうそこのエリアの

ルーンストーンは回収済みですってぇぇぇぇ!?じゃあ、あそこにあった
メッセージは・・・え??
回収し忘れたですってぇぇぇぇぇぇ!?」
横で
電話中のモリナの声を聞いて固まるTAIYOとミストちゃん・・・・。

「・・・・・あのクソジジイ〜〜〜!!今までのあたし達の苦労
は何だったのよ〜〜〜!!!きいいいいいいいっ!!!!!」

・・・その後数日間、モリナがTAIYO達と全然口をきかなくなったの
は言うまでもない・・・・・・・・。


「・・・・もしかして私、今回ラッキー・・?」By TAIYO。


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