その4
「ダイナマイト・キューティー」

・・・・・昨日は最悪だった・・・・・。

昨日の
モリナとの冒険で酷い目にあったTAIYO。この日は朝からサムナ
ーの塔近くにあるワンルームマンションの一室で一人塞ぎ込んでいた。
「そろそろご飯食べなきゃ・・・・。」そう思って布団から出ようと
したその時、
トントンッとドアをノックする音と共に「TAIYOさ〜ん、宅急便
で〜〜〜〜す!」
と言う声が聞こえて来た。早速TAIYOはハンコを持って
ドアを開け、配達員が持っている伝票にハンコを押した。そして割と
大きめの段ボール箱を部屋へと運び、上に貼ってある伝票を見た。
・・・・その伝票の送り主の欄には
「空の王国青の騎士団第6部隊」
と書かれてあった。

早速箱を開けてみると中には
小型の盾と肩当て、そしてトゲ付き鉄球
が付いているメイスが入っていた
。その他にも予備のパンツ即席味噌
・・・・・・と言った雑貨類が詰め込まれていた。
一緒に入っていた手紙には
「昇進おめでとう、TAIYO君。これは我が隊
からの
贈り物だ。快く受け取ってくれたまえ・・・そなたの今後の活躍
に期待している。」
と書かれてあった。

・・・・これで
「釘バット」からおサラバ出来る・・・・
おめでと〜〜〜ありがと〜〜〜!!!!

すっかり機嫌が良くなった
TAIYOは、昼ご飯の買出しの為にサムナーの
塔内にあるコンビニエンスストアー
「MIDWAYマート」へと向かった。




・・・・店内はお昼ご飯時のせいかそこそこ人が入っており、
お弁当を
持ってレジに並ぶ人の姿
が目立っていた。
とりあえず
ペットボトルのお茶サンドイッチヨーグルトをカゴに
入れレジへと向かおうとしたその時、TAIYOの足元に
ふかふかとした
「何か」がぶつかって来た
。何だろう?と思い足元に目をやると・・・
そこには一羽の小さなニワトリがいるではないか。
そのニワトリはつぶらな瞳でTAIYOの方をじ〜〜〜〜っと見つめていた。
コケコ♪
「か、かわいい・・・・・・・v」

思わず
そのニワトリを抱え上げ、ぎゅ〜〜〜〜〜っと抱きしめてみた
・・・やわらかい。今度は頬擦りしてみよう・・・・・・すりすり。
し・・・シ・ア・ワ・セv(はあとv)
と、その時。
「ねえ君、ポジョに興味あるのかい?」と言いながら一人
の少年がTAIYOに近づいて来た
緑とオレンジの2トーンカラーの奇妙
な衣装に顔にはマスク
・・・・と、まるで道化師の様な姿をした少年
TAIYOの腕から飛び降りたニワトリ〜ポジョ〜をさっと拾い上げそのまま
ひょいと頭の上に乗っけてTAIYOに
二コリと微笑みかけてきた
「は、はあ・・・・・・・。」TAIYOは目の前の少年の少し・・・どこ
ろか
かなり奇怪な容姿に引きながらも返答を返した。
「ふふふ♪ポジョ・・・欲・し・い?」少年はTAIYOの鼻の頭に指先をちょん、
と触りながらそう言った。
「・・・・欲しい!絶対に、欲しい!!!」
即答するTAIYO。
「ん〜〜、でもタダじゃあげられないねぇ。・・・そ〜だっ♪おいら
これから
”山の王国”ルーンストーンを探しに行くんだけどぉ、それ
に付き合ってくれたら・・・・・・考えてもいいけど?」
TAIYOはその
交換条件をあっさりと受け入れた。
・・・・この子は少し頼りなさそう
な上に弱そうだからこの子を守るようにすればモリナの時みたいな目に
遭う事はまずないだろう・・・・・・・・・・
TAIYOはそう確信した。


2人はテレポーターで山の王国に着くと
「ねえ君、名前何てゆ〜の?」
と少年が聞いてきた。
「私は”TAIYO”と申します♪一応職業は騎士で
ございます♪」
TAIYOはぺこりと頭を下げて丁寧に挨拶をした。「あ、
おいらはミストちゃん♪”夢の王国”のジェスターちゃんだよ〜ん♪
TAIYOちゃん、よ・ろ・し・く・ね〜〜〜〜♪」
彼〜ミストちゃん〜は
TAIYOとは正反対に
踊りながら自己紹介をした。足元ではポジョもコケ
コケと鳴きながら跳ね回っている。

「早速ルーンストーン探しましょっか♪」ミストちゃんは両手を大きく
振りながら軽快な足取りで一人勝手に目の前のつり橋を渡って行ってし
まった。
「あ〜!待って下さい〜〜〜〜〜!」「コケコ〜」TAIYOとポジ
ョは先々と進んで行くミストちゃんを追いかけて行くと、釣り橋を渡り
終えた所で案の定
ミストちゃんがモンスターに囲まれていた

「・・・・あーあ、先行くから・・・・・。」ため息をつくTAIYO。
だが当のミストちゃんは
怯えるどころか逆にニコニコしている・・・・
と、その瞬間!ミストちゃんは
左手に持っていたステッキを振り上げ敵
に向かってステッキについている鎖鉄球をぶつけ、さらに右手で爆弾を
次々に投げつけて行った
。そしてジェネレーターに向かって両腕を向け、

ロケットパーーーンチ!!!!!パーンチパーンチパーンチ・・・(エコー。)

・・・・・あっと言う間に敵は
全滅した

最後の技はともかく・・・・もしかしてこの子、メチャクチャ強い
じゃ・・・・TAIYOは
外見でミストちゃんを判断した事を後悔した

とりあえず2人はこの場を後にして近くの階段を上って行くと、上り
切った所で
何かを感じたポジョ岩壁をくちばしでツンツンとつつい
いた。すると突然その岩壁が崩れ落ち中からスイッチの様なもの
現れたではないか!!
「もしかしてこれが・・・・・」TAIYOは恐る
恐るそのスイッチを作動させた。その瞬間、
先ほどミストちゃんが敵
を全滅させた場所の方からゴゴゴ・・・・・と言う音が聞こえてきた

「行ってみよう!!」2人と一羽は階段を駆け下りその場所に行くと、
なんとそこには
「ルーンストーン」が!!!!!!

「・・・・早っ!」思ったより簡単に見つかり拍子抜けな2人。


「・・・これからどうしますか、ミストさん。」
「せっかくだからゴールまで行っちゃいましょうか、TAIYOさん。」
「コケコ。」



2人と一羽が
半分やる気のない会話を交わしながら進んで行くと、足元
大きなハンマーが一つ落ちていた。それもわざとらしく
「あ〜!これってもしかしてぇ、
サンダーハンマーってやつ〜?ねっねっ、
これ、
ミストちゃんにくんないかな?」拾ったハンマーをご機嫌そうに振
りながら
TAIYOにおねだりするミストちゃん。「・・・私は要らないから
いいです。」
半分呆れた顔でTAIYOが言った。「わ〜〜〜〜い!これ、前
から使ってみたかったんだよね〜〜♪・・・・・あ、早速敵さんだ!」

ミストちゃんは猛スピードで
モンスターがワンサカといる広場へと走って
行った。広場のど真ん中で大きくハンマーを振り上げ・・・・・・・・


「サンダーハンマー、”早見優方式”で行っきま〜す!
♪恋かな〜〜YES!(ドゴーン!)
♪恋じゃなぁ〜いYES!(ドゴーン!!)

♪愛かな〜〜〜YES!
(ドゴーン!!!)」


ミストちゃんは
喜々とした表情でサンダーハンマーを地面に叩き付けあっ
と言う間に使用回数3回を使いきってしまった
。・・・・・・・・・勿論
モンスターは全滅、ジェネレーターは全壊である。

「・・・・・あ〜〜、カ・イ・カ・ンv(ぽっ♪)」


広場の真ん中で座り込み
恍惚の表情を浮かべるミストちゃん。そしてそれを
無言で見つめるTAIYO。そしてその周りをてちてちと走り回るポジョ・・・
・・・そんな2人と一羽をあざ笑うかのように、日が落ちてすっかり夕焼け
になった空をカラスが
「アホー、アホー」と鳴きながら飛び回っていた。





「・・・さて。TAIYOちゃんに
ポジョをあげるって約束だったよね?じゃあ
今から
ポジョ出すから。」そう言ってミストちゃんが軽くステッキを振る
と、上から
沢山のポジョが入った大きな木箱がTAIYOの前に降って来た。
「その中から好きなのを選ぶといいよ♪」TAIYOは嬉しそうに箱を開け中に
入り、念入りにポジョを選んだ・・・・しかし、
「うーん・・・どの子も
良いのですが〜イマイチピン、と来ないですねぇ。」
と少し困った顔をして
いると、
さっきまで冒険について来ていたポジョがTAIYOの方をじーーっと
見つめ、箱から顔を出しているTAIYOの方に
ぴょんっと飛び着いて来た

「・・・どーやらその子、
TAIYOちゃんになついちゃったみたいね。まあ
この子はたまたまついて来ただけだから
あげてもいいよん♪

こうしてTAIYOは無事にポジョをゲットする事が出来たのであった。



「ところでミストさん、この子に
名前を付けたいのですが、この子はオスか
メスどっちなんでしょうねぇ?」するとミストちゃんはポジョの
お尻の羽毛
を掻き分け始めた
。「こいつは・・・・メスだよん♪」「じゃあ、この子の
名前は・・・・・
”ポジョ子さん”にいたしましょう〜〜〜〜♪」

・・・うわっ!ベタっ!!!!・・・思わず魂で叫んでしまったミスト
ちゃんとポジョ子であった。


・・・・あー、訳の分からない一日だった・・・By TAIYO。


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